けふ、ジャージャー麺のことを不意に忘れた
束の間空が晴れて
でも、ジャージャー麺がひとりで勝手に
空を飛んでいったわけではない
細い雨が絲のやうに降ると
それはそれで五月の薔薇はよろこぶ
晴れたらいいのか
降ったらいいのか
迷ってゐる
ジャージャー麺を涼しい器に盛って
奇麗に野菜を飾り付け
辛い辛い肉みそを乗せる
やあ、だんだん辛くなるなぁ
紫陽花、
でんでんむしむしは未だだ
晴れたらいいのか降ったらいいのか
細い細い絲のやうな雨
忘れもんはウツルんかな
ばーさんが忘れ
わたしも忘れ
束の間、ジャージャー麺は気持ちよく空を飛んで行った
辛さが後で沁みて来る
空から爆弾が降って来るチャウデー
あそこにも五月の薔薇
何もかもが、泣き叫んでゐる
ジャージャー麺は忘れた
倉石智證


