/馬手弓手めてゆんで中央高速山笑ふ

薄緑が刷毛で掃きたるごとく───

「よろずに青葉になりゆく様心のみぞ惑わす」吉田兼好『徒然草』

・・・と、花ばかりではなく、その後に訪れる若葉、青葉の季節にこそ心落ち着かないと。

/花桃や靖国通りかくれんぼ

/春めくや小学生のクレヨン画

/ブラームスの調べハナミズキの通り

/市ヶ谷に行くべし足元に躑躅

/初燕嬉しきことの便りかな

/君子闌ぼく君のこと知ってるヨ

ベランダに君子闌が待っていてくれた。

/君子闌いざなう哲学の径へ

/花活けて東京の家射干しゃが、桜

桜ははるばる湯沢の雪折れ桜を。

/春韮を入れて餃子や妻の家

/チューリップ今年も東美の坂下に

/チューリップ小さき子らのケンケンパっ

/チューリップ クレヨンの色間に合はず

 

倉石智證

東美=東洋美術学校