/山登りのためとは云へ除草機の戞戞(かつかつ)

/畑二枚仕上げ立ち去る小春かな

/山茶花の咲いて小道の明るめり

/山茶花や指切りげんまん遠き日に

/湯湯婆ゆたんぽのお湯を沸かすも大仕事すぐに忘れて音に叱られ

 ば様にピッピッと警報音。

/柿採りて空の高さや鰯雲(季重ね)

/上がりこみ炬燵で話すジブリかな縄文の宿越後上布の

/紅葉散るあと振り返れないことばかり

/呼吸器の音のせわしく病院の命瀬戸際紅葉散り継ぐ

/活けてみて一升徳利菊の花

じ様のその前のじ様の一升徳利。

/草の実を啄む雉の肥へまさり

/太陽の光の恵み吊るしん坊果肉は裡に光り点せり

/山の端に冬樹燦燦と陽の入りぬ

/口の端に冬のリビエラのせてみる橋の下ゆく水の流れよ

/秋深し獣となりてセンダンソウ

/焚くほどは風が持て来る落ち葉かな(良寛さん)

 

倉石智證