/古里は柿採るにわかに柿大尽

/秋晴れや空の天下を柿菟

/これからは妻にしばらく柿遊び

/霧吹いて甲州百匁ひゃくめ吊るしんボ

/わがことといずれ甲州吊るしんボ

/松のこと松に問へとよ庭仕事

/世事世間地上に置いて松手入れ

/散歩へとばーさんの「気を付けてくんなせえよ」は

 それでおしまい

/焔え上がるいてふはけふのゴッホかな

/山茶花が咲いたようれしいなうれしいな

/咲いた咲いた山茶花が咲いた

/鉦の音や空虚な村を「火の用心」

/ありがたや末の南瓜と小春かな

/うらぶれて秋明菊と誘はれり

/今少し紅葉散るのを惜しみけり

/そっと置く黄葉に紅葉あかあかや

/腸はらわたがアマイと秋刀魚負け惜しみ

/松手入れ小鳩も枝に励ませり

/松間には小鳩の憩む松手入れ

/カミオカンデ童心のまゝニュートリノ

 小柴氏の逝くちょいと宇宙へ(94歳)

/松 紅葉京洛ばかり百姓家

/夕照や剪定鋏研ぎ終わり

/夕照や甲州葡萄照り紅葉

 

倉石智證