1979シャガール92歳「グランド・パレード」愛情と喜びが横溢する。

 

ナイーヴ、ぼくはとってもナイーヴに

ゆるい眠りに水回りの心配すら

聴かせて欲しい

秋の調べを

パペット、ぼくの一人遊びのパペット

ブランコにゆあーん

そんなことをしているうちに多分

壊れてしまう

 

ドルチェ、とっても甘い口移しの

ワイン色の

鼻孔に抜ける香りの

ヴァイオリンの旋律

長い鍵盤の列が自動的にうねってゆく

 

そしてある物語では突然別れがやって来る

ページをめくるたびに運命の音がかさこそと

ナイーヴ、とっても耐え難く

こらえに堪えて高貴に滋味深く

さやうならとパペットもシーツの上に無言に落ちて

優しく白い腕を胸に重ねてあげて

あんまりなナイーヴ、怠惰な私が身を起して見送る

主人公の後ろ姿の

背を向けてページから歩み出て行く

 

倉石智證