ドングリが落ちればさみしいな
森や林の奥で
ドングリが雨に降り落ちれば
よけいにさみしい
クヌギや楢や山毛欅の
何でもない想ひのふと
雨の一滴に
ついつい濡れ落ちて
わたしの足元に転がって来る
落ち葉の上に落ちて枯葉を布団に
茸の上に落ちて
茸の傘に引っ付いた
だれが探しに来るのかな
一人ぽっちに
一人ぽっちなのに
だれにも知らせない
つやつやと濡れて
ベレー帽を被って
いまはベーゴマにしやうとする子もいないな
クルクルと下敷の上に回して
ころころとぶつかって転がる
さみしいな
いまではほんたうに寂しいな
ドングリの遊びだなんてだあれも
森の奥深くに入って
だあれも二度と再び帰って来れないものだから
しーんとして
いたるところ森はさみしい
倉石智證




