畑は静かに
秋は小春に
もの想ひする
葡萄樹の下に肥料袋を置きならべ
箕を腰に肥料を撒く
葉が黄金色に陽の色に溶け
畑の端に畑の芥を燃やす
煙は青く空へと立ち上り
柿の木に柿の実が色づく
何をか況や
畑は秋に静かに
もの想ひする
須すべからく収穫の後は
地上に大きく呼気を吐つき
しばし安堵と満足に安らぐかのやうだ
あゝ、あそこにあるのはわたくしのカボチャ畑で
花が落ちてもまだ頑張ってゐる
地を崇めなさいよ
地を奉りなさいよと
地の宝奠
まさに大地に育まれ
虫たちさへもまだ治まりきれない
行きなさいと
さあ、今度は白菜の番だと
妻の天塩の白菜は大方虫食いだらけになった
まあ、まったく
秋はもの想ひに
倉石智證





