/彼岸花此岸しがんに咲いて人の列

/お彼岸や墓に行き交う顔、頭

/お彼岸や墓に顔出す無沙汰さん

/あげまうす彼岸参るや彼岸花

/ご先祖の墓のどこへとチチロ鳴く

/彼岸花スマホで撮りてすぐ送る

/肥料袋積んで彼岸の入りとなり

/生検を頼まれしこと雲の峰

/鱗雲けふの夕餉の鯛兜

/櫛形や大シルエット雲の帽

/大石早生わせそろり出荷の梯子かな

/虫コロス匂ひ山椒の香に強し

/どぜう屋へ残暑見舞いと申します

/コンビニのおでん旗指物参る

/作り置くばばを残してシチューかな

/あそこから山入る道 草ひばり

/どよもすは風待ち顔の紫苑かな

/ひらがなでむらさきこぼつ紫苑かな

/何度でも襁褓のことを虫集く

/お彼岸や花買う女のレジ待つわ

/結局は除染の土に月見草

 

倉石智證