物語にはいつも不思議な展開と云ふものがあって・・・

オッパはあそこまで連れてって。

夏の最中まで歩いて行ってみよう。

バイカル湖はまだ水面に輝いてゐるだらうか。

ヒマワリはなにしろ南に傾いて、

ひととき戦争が終わったなんて信じられないほどだ。

 

/ばーさんのコケてデデポポー蒼き暮れ

/子燕を連れて母なる屋根瓦

/南からの風を集めてポケットに燕はスイと屋根を越へ行く

/ほうたるの蛍袋と云ふ塒ねぐら

/高速道麦の熟るゝを流し見る

/日雷ひがみなりなかへと嚇す南から

/桐の葉の落ち来るまゝに里住まひ

/東京の娘のおねだりや「モモ送れ」

/青梅雨に菌の蔓延はびこる噴霧かな

/ソルダムの採り残ししを鳧けりツケム青き籠下げ樹下廻りぬ

/梅雨深し小玉西瓜の侮れず

/夏河や千曲(川)に通過儀礼かな

中学生初年になるとさうやって千曲川を泳いで横断する。

/余りたるスモモはジャムにたうたらり

/紫陽花を刈り残したる背のやさし

/言の葉の雨や嵐と打ち掛かる頭の中に鉄鉢てっぱつ続く

/屁こき虫なんでおまへに薊かな

/降り続く雨に気根を巨峰樹の

この異常気象についに葡萄の巨峰の枝から“気根”が・・・。

 

倉石智證