含意を探し求めて───

含意はたとへば「把手」にある

おおいなる細ささやかな意匠であって

カフカの場合は、

もっとも近くのものが、最も困難なものになる。

もうずいぶん昔のことだ。

知ったかぶりが被りものして歩いてゆくと

散々叩かれて、あはれ

あれはわたしぢゃあないのよと

渋々顔を出す

小さいぼくは廊下の端に佇ってゐて

それを云っていただけると嬉しいのですが・・・

そして含意があんなところに座り込んでゐる

まるでぬるいのか

含意を探しに樹の下に入った

道は向かうにずーっと続いてゐる

何月何日、と云ふことでもなかった

窓は開けっぱなしで

五月の風は頬に気持ちがいい

急に手持無沙汰になった

みんなが全員そろって正義を口にし出すから

ぼくなんかは息が詰まってウッウッとなる

 

けふはテンポイントの日だから

躊躇せずに買い物に行けばよかったんだ

 

それを午後から風が出始めて

それを午後から別な用事が出来たものだから

含意は樹の下ばかりか

窓枠と云ふか

いろんな処へと輾転とし始めた

夕刻、風がまた一段と強く吹き始めると

どうやら鳥たちも慌てふためいて

空の縄張りのことばかりでなく

それこそが意味深い含意で

郭公までがいきなり

カッカッカッカッカと鳴き間違える

 

倉石智證

“まるまると”けふの含意はこれ。

雉はどう云ふわけか蹲ってこっちを見てゐる。

真剣な飛翔───

部屋に飛び込んできた燕。