紙芝居の後ろにこっそりと並んで
水飴を舐めてゐる友達を羨ましく見てゐる
オーイ小林イ
なにか呼んでいるのかい
何か足りないとでも
何か不満だとか
なかなかに
ぴょんと立ってなかなかに
もう少しで私のところに来る
まさか欠伸をしているなんて知らないんだ
リンリンと乳母車を押せ・・・
小林は知らない
世界がこんなに公平で水平であることを
樹液はみんな下方から渡って来て
いまは苜蓿に
なつかしいね花の首輪に編んで
そして土蔵の下に連れ込む
ちず子ちゃんは何処へ行っちゃったかな
あのスカートの下を見せてくれたちず子ちゃんだ
無性に可愛い
こばやしぃ、愧じ多き人生だった
両手に顔を埋める
苜蓿の原に寝そべる
空をゆくりなく雲が行けば
忘れていたことを思ひ出して
呼びかけてもいいかい
苜蓿の原に寝転んで
少し悲しくなるまで
倉石智證

