/春雷や桃色のバラ驚かす

/降りてすぐ青雨あをさめになる軒すだれ

/ビューティービューティー一重ひとえの薔薇の風に乗り

/茄子トマト胡瓜を植えて春の雨

/畑はたに下ろす南瓜の苗にひとくさり

/摘果して青き匂ひをまき散らし

/パソコンの燈を落としけり音を聞く電子の春の音のかそけく

/そら豆の「マメに生きよ」と便りかな

/そら豆のひょうげて莢に座まします

/そら豆のやさしうれしく豆ごはん

/五月蠅うるさいと書いて煩うるさし五月蠅ごがつばえ

/ハエ叩きにノッテ世間を五月蝿

/夕さりて愁ひは春のツキミ艸(ヒルザキツキミソウ)

/旅に出る蟻には蟻の一行詩

/芍薬の玉に乗りたる蟻ん子の天睥睨へいげいす空の行く末

 

倉石智證