けふはボウギョウザの予定だったんですが

憲法記念日なので

畑の脇の土手に野蒜を採りに行って

珍しいものでもと思ったんですが

野蒜はもうダメですね

この陽気に早々と野趣を無くして

さうしたら農道を挟んだお隣のお百姓さんが

ジャガイモの立派な畝から夫婦して上がって来て

こんにちはと随分な無沙汰を詫びて

挨拶を返したら

あっちの方に罌粟の花ならすごいのがありましたよ

とこの道をこう行ってああ行って

橋を渡って右の細い道に入ってずっーと行ったところの橋の下に

いいえわたしも引き抜いて自分ちへ持ってこようかと思ったんですが

ケシの花はヤバくて

捕まったりしたらヤダなあ

なんて笑いながら軽トラに乗り込んだら

夫婦して帰って行った

こちとらも妻とば様も入れて三人だ

スモモ畑のタンポポやヒメジョオンにもよい加減に飽きて

さあ、のって乗ってと軽トラをとことこと土手の上を走らせて

ほぼ云はれた通りの道を行って

舗装もされていない石だらけの雑草の道をどんどん行ってみると

あったあった、橋があった

橋の下の川筋の雑草の緑の叢の向かうに

まぎれて赤い罌粟の花ばかりでなく

目立つ紫色の罌粟の花片が見えた

「風薫る五月三日を愛いつくしむ」

けふは憲法記念日なので、

けふは憲法記念日なので、

ぼくは土手を橋下に下りて

やーあ、こんにちはと、

まじまじと罌粟の花に近づいて

顔を寄せた。

セティゲルム

 

倉石智證