/カタクリの花の便り(メール)を娘から

/蕗緑雪間より顔、かくれんぼ

/人類は鳥になりたい春の風

/桜東風さくらごち唐変木を叱りつけ

/公園にいやお呼ばれや花の墓地

/文庫本閉じてにはかに花の冷え

/花片ひらの淡き一輪栞しをりとす

/恋人たちの肩に背架かる桜かな

/諾うべなうはもろ手に花とコロナかな

/櫓を漕げり櫂の雫と桜かな

/鳴いて止む初鶯の舌足らず

/田代湖に氷溶けゆき春や来るゲレンデの人滑り込みゆく

ぼくならあそこ在る三本の山毛欅ぶなの木のことを知っているよ。

/谷足と声を掛けつつコブ斜面次と現る難所難所の

/それぞれの花の臺うてなに陽の光

/はなからに押花にして君を待つ

 

倉石智證