メンフクロウのほわほわ
それで騙される
音を消して夜中に飛び立つ
人生を復唱するのだ
みんな必ず誰かを殺さなければ生きてはゆけない
ネズミは夜の闇の中で立ちすくむ
丘の向かうから息せき切ってやって来た
メンフクロウのほわほわ
とっても面食らふ
それがポーズだとしても首を世間に180度もぐるりと回し
それで厭世的になったり
昼を恋しがったりしたら
多くのネズミたちは野に幸福に暮らせるのだらうか
疑うこともなく全速力で原っぱを横切ろうとする
不安はいつも昼と夜とにたちまち体いっぱいになる
メンフクロウのほわほわ
それで枝枝の下を上手に飛んだ
ネズミたちのあるものたちは鋭い爪の餌食になり
たちまち夜の王宮へと連れ去られる
そそくさと地下の寝所に潜り込めたものたちだけが
眼を閉じればそれはそれで今日が終わりを告げた
と云ふことになるのだらう
1969レオ・レオニ「アレクサンダとぜんまいねずみ」
枝枝の空に兄弟が在るとするならば
地下の径路にも
まぎれもなく無数の兄弟が存在している
倉石智證
