/山に落ちコールドムーンと云ふ処

/救急車次は自分とドキとする村の外れで夜を窺ふ

/ばーさんの起床喇叭や寒の朝

(まず布団の中で歌い始める。)

/さつま芋とりあえずと云ふ焚火かな

/焚火して芋も焼べたるあたゝかさ

/焚火して思索の人となりにけり

/をちこちに畑仕舞ひける煙かな

/飽きもせで懐手して焚火かな

/炎の眸の我を底ゐに見入るかな

/いずれ我も骨に焔やさる焚火かな

/しらしらと骨になりゆく焚火かな

/鰰ハタハタの乗っ込み神とも魚とも

/鰰の顎外されて俎板に

/月落ちて陽が昇りくる霜の朝

 

倉石智證