旅立つときは

あの秋の紅葉の葉っぱのやうにひとり

出来るだけ身軽になって、明るく

さやうならとゆきたいな

天と地の間に身一つを置く

悲しみが肉体化する前に

身は透明のやうになって

たとへば誰にも知られることなく

ではね。さやうならとゆきたいな

川底に沈んだ木梨のやうに泡を吐く

紅葉の葉っぱが降り落ちる

みんなの仲間にさやうならをして、

旅立つ

ぼくは空を離れ、川の流れに

きっとその時ぼくは故郷に帰るのだ

 

倉石智證