1953オスカル・ドミンゲス「無題(デカルコマニー)」
あとどのくらい
と云ふと
さあーッと両手の平の間から
星屑のやうなものが流れていったものだ
沈黙があって
さあ、あとどーくらい
て云ふと
このくらいって
空の碧雲が水溜りに映る
やるせないなぁ
空言そらごとが空に響いた
なにしろ昔の隙ひまに片足を置いといてゐるものだから
なにしろ今のこちらにはおぼつかない
だらしがないと云はれても
なにしろ
股裂きになるか
水の中へぽちゃんと落ちるか
それをあなたは笑って見てゐる
現在と過去のことと未来のことを表しなさい
と云はれても
無責任には表せません
あとどーくらいッて
もう半島の突端に出るか
山の天辺に登るか
両手の平からは星屑のやうなものがいっぱい零れて
あと、どのくらいって
やおら半島の天辺や、お山の天辺で
その先のことなんか一つも考えたことなんかない
さてさておてやはらかに
しかしさう云ふとおまへはすっかり笑っているけれど
ところでおやおまへは、
どーして首輪なんかしているんだい
倉石智證
