/野分吹く斃れしものの起き上がる
/野分吹くいま業平の道すがら
/木の葉髪手で柿落葉集めゐし
/ばーさんの手は熊んざれ野分後
/七回忌行って名前を秋の空従弟兄弟みな忘れぬる
/ブンブンと除草機回す漢ゐてシャインマスカット未だ幼樹なり
/隠元の和へてゴマダレのとまらず
/茄子隠元この相性に二、三杯
/松葉牡丹頑張ってゐて夏了はらず
/松手入れ始める家の二、三軒
/そろそろに茸は森に夢を見る
/夜叉神や林道閉鎖広河原紅葉の谷のキヤラキヤラと
/閑を見て南瓜の種を占へり
/痩せすぎて秋刀魚を過ぎて鯛になり
/秋の蚊の寄らば大樹と妻の躰てい
/唐辛子焼くトンガラシ辛味つつ
/フレンチを喰ふ首相ゐて台風の官邸の上やがて過ぎ行く
倉石智證




