/颱風の近し、柘榴の実の赫し

/アワダチソウ野の放棄地を明るめて

/眼に痒くなりたるほどにアワダチソウ

/気が付けば仏前の花アワダチソウ

/われに告げよ苦瓜の実の変態す

/葡萄樹に貴腐になりゆく青の空

/秋暑傍かたへに凌霄花のうぜんかずら帰り花

/冴え返る薔薇一寸の赫さかな

/曼荼羅や三千世界秋の虫

/彼の人等もみな命がけ大和堆たいイカ釣り船の返るさみしも

/隠元の採れ過ぎたれば卵とじ

/さつま芋喰へば親しき仲になり

/甘皮煮まず試されて夫婦仲

栗の甘皮煮、これは手間暇かけて相当にムツカシイ。

薄皮一枚(笑)と云ふことではない。

/ミゾソバへ金平糖の想ひかな

/イヌタデや蓼喰ふ虫も赤まんま

/「おまへは赤まんまの詩を歌ふな」と中野重治は

/須すべからく寒露の候に分け入りぬ(10/8「節季」)

/掻い巻きを出すかと妻は吾に聞き

 

倉石智證