二人とも同じ話を何度も何度も繰り返し、また初めから・・・。

/捗はかどらず老人会の二人だけA~Bの距離の長さよ

/身の裡うちに賢所かしこどころと秋の空

/憚りや厠へ手形切りて行く

/赤ん坊を高い高いして秋の空

/蝶々のカップル電線の高さまで

/秋蝶の後追いかけてきりもなし

/夜も更けて赤い実食べた色鳥来

/窓閉めて鳥の声など秋の朝

/朝涼や靴下履けしばば云ひし

「はけし」は甲州弁で「履きなさい」。

/冬瓜の哲学めいて坐ますかな

/褒められて南瓜の花の実の入りぬ

/苦瓜の苦さ足りぬまゝに肥えて

/左手に蚊の来てカメラ秋海棠

/連れ立ちてヒマワリの種雀どち

/柿紅葉はや来てわれを慌てさす

/錆び寂とあぢさゐ色に捨て置かれ

/紫陽花の枯れゆくことも懐かしき

/栗の実の落ちて座を占む確かかな

/銀杏の口福すぐにひろはれて

/銀杏の翡翠で遊ぶ妻なりし

買って上げられないからね・・・。

/茄子料理けふはけふとて豆板醤

 

倉石智證