1957瑛九(えいきゅう)「空の目」

 

雲が流れればそこに思ひを致す

グリーンスリーブズは思ひ出ばかりに深く

流れ去って微笑みだけが空の淡いに残る

いつかいつかみな手を取り合って

手を携えてみんな必ず行くんだね

いつの日にか行くのか明日へ

いつか悲しみに出会へる

 

グリーンスリーブズ懐かしいみんなの顔

話しておくれいつまでも

もうあんな日々に帰れないとしても

どうなんだらう齢をとると云ふことは

風が吹けば葉叢も空に肯く

時に抱かれて日々に何事もなく移り棲む

しかしグリーンスリーブズも少し色が褪せて

手の温もりからさやうならをする人も在った

 

峰々は青く少しも故郷に変わらないよ

また逢えば仲間の笑顔も忘れられない

でも、それでも呼ぶ声がして

かーさんのそしてとーさんに思ひを致す

雲が流れればそこにはいつもみんなが

今でも懐かしいグリーンスリーブズの歌が

わたしのなつかしいグリーンスリーブズの歌が

 

倉石智證