この赫の乱雑さを褒め称えやう

このむやみな性急さと

何かは知らぬ不思議な秩序を褒め讃えやう

あかあかやあかあかあかやあかあかや赫

ば様がお墓に閼伽すると云ふ

 

地に在って悲しみに臥せってゐるのか

天に伸びあがって青空に雲に誇示せんとでも

告発するのだよ

戦争に連れて行かれたことを

赤い紙きれを出す人と

赤い紙きれで死んだ人が

一緒に祀られた

 

兄者は棒切れを持って

ことごとく土手の曼珠沙華を

その首を打ち据えて行った

「こんちくしょう」

「こんちくしょう」

泪とよだれと汗が一緒くたに地面を汚す

 

あかあかやあかあかあかやかあかや ん

村の入り口のお墓には

立派な墓石が苔に生して一列に立ち

この季節になると

昔は土手ぢゅうに赤い悲しい帯のやうに

曼珠沙華が咲いた

 

倉石智證