東大安田講堂

 

鼻白む街行きゆかば婦警邏 ふけいら の笛吹き高き秋は天下の 

吾がボードビリアンの一行は交差点の真ん真中でズッコケた 

秋は天下の 

秋は天下の~へ
 
柿喰へば鐘が鳴るなり赤門の
やぐら 潜りていてふ並木に
さなちいさなそこに、

またあすこに 

人間の慈しみが滲み出す 

三四郎の池はすぐそこに 

若者たちが屋台を出して 

客引きよろしくあの手この手で
 
今は喪 うしな はれしものよ 

それは今を形づくる一部でもあるが

店先に柿は熟れてく 

でも種なしでないとたれかは買わぬ 

山はもみちだ 

ロープウェイは、安全も値段に入ってゐて 

価値は価格に収れんする
 
ボードビリアンの一行は赤門をくぐった 

安田講堂手前左 

法文一号館 

男子トイレは入って奥の方右へ

 

いにしへの落研 おちけん の発表会 

客席には銀座のマダム&マドモアゼルも 

法文館で睫毛、化粧を 

秋は本郷に更けてゆくのであった
 
「存分に」 「たっぷり」
でぇ工 の与太郎やはてなの油屋が 

舞台の裾を所狭しと 

何しろ高座は座布団しかない 

しがねへ
 
人情のほどなき果てのお白州の 

これぞ捌きの名奉行 

桜吹雪は知らねども 

このいなせこそ江戸の花 

江戸の花には小田原の 

富士煙り立つ由比ヶ浜
双身 ふたみ に別れゆく秋の 

いつか大津の京童 

いつかお山の清水焼 

音羽の滝に願かけて

 

油屋が手に入れたものそれこそ「はてなの茶碗」であった 

水入れる、水の洩るこそ不思議ぞけれ 

やがて、関白、帝のお耳にまで

噂話が届いたと云ふ 

さてこそ
 
原理原則で云へば

 財政とは、 

その国固有の歴史、文化、風俗に基づいたアイデンティティーである 

ぞとよ 

坐したまま 

坐したまま、欲望を膨らませるなや 

やよ、不思議な 

いと、迫りくるや、いと、昂ぶりて
皮膚をうち破るほどに隔靴掻痒 か っ か そ う よ う 

が昂ぶると 

自傷がいともたやすく身を溶かす

 
法文一号館を出でて 

鬱蒼としたいてふ並木に 

この身にあまる身こそうたてしとて 

てふてふいてふの実が落ち来る 

吾がボードビリアンは R17 号を渡りて
そこで警邏 けいら の音高き笛の音に

また再びとズッコケた 

 

当然、わが一行はそれから飲みに繰り出すのである。
秋は天下の、まだ日暮れにはもう少しの・・・
演目は「大工調べ」と「はてなの茶碗」なんぞ。
東大落研の皆さまの奮闘熱演なのでありました。
 
価格形成において、ものの値打ちが実需を離れた。
人間の欲望は宇宙の果てほどに限りない。
欧州に、米国に、Zipang に、
数限りない欲望が渦巻いている。
我がボードビリアンの一行に、
「南亭堕落」(何という堕落)てふ、御仁がいらっしゃる。
「飲も、呑も、のもう」と当然のごとく新宿まで繰り出したのであった。 


1969,1安田講堂・1年数カ月の紛争、 その前年は

1968,10,21“新宿騒乱”

新左翼諸派らの放火や破壊活動、野次馬2万人も集まり拡大化。

『国際反戦デー』に当たって各地で反戦集会が開かれていた。

webより