/メール打つ秋の雲ならせはしなく
/行く秋や無聊ぶりょうの髭を抜いてみる
/除草してとんぼうの群れ萩の風
/カチカチとスズメバチ来て威嚇せり
/お役して葡萄の葉叢枯れ初めつ
不思議なことだ。収穫した巨峰の葡萄棚の葉っぱはもう枯れ色に変わり始めた。
一仕事を終えて、落ち着いた安堵したかのような風情である。
/花韮の翳を ば様の草引き女
/シソの穂をトランポリンせり赤蜻蛉
/スーパーでシャインの売値眼まんまる
シャインマスカットはスーパーでひと房1,000円以上と
巨峰の2倍以上のお値段。
/風吹いて末の南瓜の生き難し
/姉さんのやはらかき手 運動会
/鰤の腹旨しうましと秋来る
/白菜の苗買うて来て水遣りぬ
/茗荷の仔ふとそこいらが明るみぬ
/蟷螂の遅し飛蝗バッタの先行きぬ
/揚羽来ぬつんつるてんの山椒に
/梧桐あおぎりの日の斑ふの揺るゝ狭庭さにわかな
/放棄地に生きとし生けるものありてものさわにする秋の夕暮れ
倉石智證




