/初物や琥珀にシャインマスカット

義兄が育てて3年目。今年初めて数房為ったさうな。

/落ち蝉に蟻の列組む葬儀かな

/虫の音のチチロと鳴いて明けやらぬ

/うれしさはばば妻吾あれに秋の茄子

/サルスベリ紅べに百日まであといくつ

/藪こいでヨウシュヤマゴボウの実黒く

/行く秋やカボチャの蔓の藪の中

/遅きこのゴーヤは蔓にやぶ睨み

/動かずに軒端に耐えて秋の蜘蛛

/落ちて来る獲物を宙に蜘蛛肥ゆる

/哲学の蛙は青く月を待つ

/虫の音をカメラに撮ると駄々をこね

/虫集すだく五臓六腑に沁みわたる

/義兄さんの“末の初物”と云ふ李

/やまばうし実を付けてまで褒められし

/モディさんの月のロケット届かずに菟はぴょんと次にリベンジ

/炎帝の戻りてけふは揖保乃糸 茗荷 シソの穂妻は畑に

/ウラジオは北を攻めろとロシア語で27回首脳会談

/コーナーを曲がり損ねて草引き媼

「お散歩だよ」と送り出したら、あれあれ、あんなところで道端の草を引いてゐる(笑)。

 

倉石智證