/黒南風はえと云ふべきツバメ喜ばず

/便失禁植木場仕事草引き媼

/生身魂地面を躄いざる草引き媼

/メロン喰ふて昔の人は匙さじと云ひ

/百姓の菅笠畔を塗り続く

/押し出して涼しき器 心太ところてん

/萍うきくさも浮子うき苗もみな青嵐

/猫の子の家に駆け入る走り梅雨

/ほうたるも見ないと常は生身魂

/蚊遣り焚く電化製品夏炉となり

/気前良き人みな並ぶ車上にはいざ上げるべき消費税はも

/(福田)平八郎の瓦は黒く梅雨走る

1953「雨」雨粒が黒く点々と瓦を濡らし始めてゆく。

この後すぐに雨降りに。

 

倉石智證