わっ潜り、輪潜り、

あっちへ行ってみようね

あっちは死者の冥界かな

興味津々

手をつないで踏み込んで踏みわたる

はーい

目の前には村の総代さんが明るいローソクの火に揺れる

ワッ、わっ潜り、輪潜り、

はーい

行ったらね、戻らなきゃならんね

外を通ってさあ、再生したゾ

よかったね、新しい生命をもらって

なんだか夜に急に生き生きとする

アセチレンガスの臭ひが懐かしいよ

ソースの焦げた香ばしい匂ひも

屋台の通りに出れば

若いねーちゃんもあんちゃんちも

みんな眼をきらきらさせているよ

みんな生命を得たものは一触即発だね

手をつないでね、

さあ、もっと暗い所へ行こうよ

魂が蒼い蛍火となって田圃の畔に流れてゆくよ

みんなみんなほどけたり結び合わされたりして

わっ潜り、輪潜り、茅を束ねて「輪 !」

穢れが流れる、流されて

あゝ、今夜は家にいるじ様にも

水無月祓へ

倉石智證

村の八王子社は毎年6月30日に茅の輪潜りをする。

屋台の賑わい・・・。

じ様は未だ存命中だったな。