愛を探しに行くのと同じやうに
愛を盗みに行くんだ
雨の絲がいいね
糸と糸の間を
まるで濡れながら
こんな季節には歌ふやうに
紫陽花色の中をふうらふうら
行くんだ
いろんな色のパラソルがあるといいね
濡れた道をひっそりと
カタツムリになるんだ
葉の下裏を歩みゆく
かーさんにも内緒でね
雨がつもって葉っぱが重たくなる
しずしずと濡れてゆくんだよ
こんな具合にみんなに黙ってね
愛を盗みに行くんだ
罪障は背中に重く
悲しみは泪となって背中のお家に揺れてゐる
こんにちは、とパラソルが深くかがんで
紫陽花色がわたしに挨拶する
糸と糸の間を通すやうに
こんな雨の日には愛が便りとなって
届けられるといいね
深い森の中では
愛はふんだんにただ、
盗まれる
倉石智證

