/テーブルを野に置きそこに涅槃西風ねはんかぜ

/春眠やまさか轉乎ごろんと野の果てに

/眠たさややがて蛙の目借時

/必ずしも地の突破ずれ春の宴

/若葉風不良少年の、殺気

/藪漕ぎやふと囀りの右左

/うくいすの上手に鳴いて山深む

/初蝶の天へと妻を野に放つ

/春占ひ少々バカなと巫山戯みる(ショウジョウバカマ)

/木の芽吹く春の点呼のことごとく

/天と地の見渡す限り復活祭

/上り来て山桜花涼しかり

/ささやかに手を添へて赫藪椿

/魚野川五月と云へど花散らす

/楤の芽や茅に滑りし斜面かな

/木の芽採り天ぷらと云ふ浄土かな

/天ぷらに揚げて冥利の木の芽かな

/春の道地にどっしりと耕運機

/農道に春の泥落つ点々と

/春泥や馬糞牛糞の懐かしい

/春景や認知の人の帽飛ばす

 

倉石智證