/薄紅の林檎の花の披くとき林檎追分何処にか聞かむ

/春は苦味能く云はれけり蕗の薹

/蕗味噌に山椒の葉冷や奴

/なにがなしお湯割りの鬱春ひらく

/呑み過ぎの声嗄れゆく春の鬱

/石垣に菫の花の咲きしかど陽の翳にして閑なりけり

/きぬさやの花披きけりひと冬の霜過ぎてこそたくましきかな

/ジャガイモの畝の土割る芽萌ゑかな

/いたるところの芽吹き人等の追い付かず

/タンポポの大方はみな飛び立ちぬ

/タンポポのこれから続く空の旅

/ようやくにチューリポの老ひ迎へけり

/いたるとこエンドロールや春死なん

/藤房のみな若ければ宙向かひ

/桜追はれ一瀉千里と射干の花

/減便の瀬戸内の島を躑躅

「プレバト」松山東高校の女生徒の句。

/土叩く妻に春陽の腰叩く

/嬶ーちゃんの静かなりゆく開きけるブック手に落つ夢の中へと

/うくいすの初音聞きけり一万歩(同期の友人は)

/ヴェランダで画眉鳥を聞く初音かな(同期の友人は今年も)

 

倉石智證