/鯉幟フクシマよりは空高く

/皇居より出でまししお江戸の桜かな

/風薫る令和へと歩睦まじく

“おしのび”で北桔橋きたはねばしから乾門。

/玉ねぎの畝の草引く妻であり

/チューリップのなんでチューリポでないのかな

/チューリップの顎が外れて咲きにけり

/藤棚の待たれる未然四月晴れ

/ぼけぼけと気安く呼ぶな木瓜の花

/待つをのみ嫩芽嫩葉どんがどんよう楓の葉

/段雷や信玄祭り甲斐盆地

/青虫の気持ちのごたる青菜時季

/椋鳥の瓦を滑る春の乱

喧しい───屋根瓦の上で集団で雌の奪い合いか。

/黄砂降る紗と羅に隠る富士の嶺

/少年の頬の産毛や桜東風さくらごち

/ばーさまに春の内乱いよいよに6時になった「散歩行きたい」

時間の感覚も少しあやしくなってきたのか。

昨日は82歳の男性がお昼に出で云ったままで帰ってこないと有線放送で・・・。

/潮の香や海鞘ほやをやと夏待ちきれず

 

倉石智證