/連翹の帯小仏に山桜

/富士の峰甲斐の国では桃の花

/釈迦堂や桃の花咲く展示館

/縄文の人歩きだす蹲る桃の花咲く春翳はるかげを行く

/春愁や土偶の人の眼の奥に

/吉野家へ一汁三菜春賑わひ

/おみなごらの髪に透き込む花の風

/駐禁や花桃の前明るめり

/南風はえ吹くや国会けふもスキャンダル

国土交通副大臣が「忖度」をあからさまに。

/水撒いて花舗の兄さんの前掛け

/洗車して噂話や水温む

/深雪だったよと神楽笑ふ人

/おゝと云ひあゝと声掛く君子闌けふの我慢をそろそろ出来ず

/一塩を笊にヴェランダ鯖干せば鴉が攫う後の祭りや

天日に干しておいた鯖はあっという間に持っていかれてしまった。

/瀬戸内や桜前線桜鯛

/ノドグロや寒さ一入ひとしお越後では

/白魚を掬い損ねて掻揚に

/野良坊菜明日からはもう蝶の花

/濫觴らんしょうを飛ばす旅人や春の宴

『令和』───

大伴旅人は正月1/13に梅花の宴を催した。

濫觴=盃

 

倉石智證