/稲荷山まず春蘭の迎へける

/稲荷山登りてゆけば藪椿径に明るむ径に啓ひらけり

/園児ゆくその後を蹤く老翁の高尾の山に春は来るらし

/観覧車遠くにかすむ富士の峰高尾の山から相模湖ランド

/ゆかしゆかし蛇滝下りればすみれ草

/高尾山蛇滝下りれば高速道分岐の下行く梅観の里

/梅観やブルーシートに乙なこと花片はなひらの降る東風野辺をゆき

/風流やブルーシートに円座かなその肩をゆく梅の花片

/東風吹かば花よ花よと梅の里

/紫に尿ゆまりの先の大根草

/霾つちふると霞むやとほき春の土手

/小仏川梅対岸にせ懸かりて

/白梅の川にせ懸かる古き家

/苔むすや幹くさぐさに梅の花

/梅見ごろ幹に苔古る人もまた

/年ごとに花語り出す梅の里

 

春光はるかげ高尾を行けば

相模湖ランドに観覧車は回る

蛇滝未だに冷えて

梅観の郷に東風の吹きゆく

 

倉石智證