/甥ッ子の墓参りに来て春疾風

/八つ颪墓石のごとばー様も

/手をつなぎお墓参りに孫と行くもう忘れてる夕餉のくゆり

/滴りや樹液は蔓の剪定枝

/蔓剪らす末後の水と滴りぬ

/景気動向弥生半ばも手厳しく

/天むすや海苔に巻きたる蕗の薹

/梅咲いて鼻うごめかす亭主かな

/優婆塞うばそくをそこゐらにして梅が花

/春断ちぬ三寒四温と云ふものゝ

/水仙を厠に活けて水の音

/野良坊菜空心菜と炒めたり

/小鼾や妻掻い巻きを顎に引く

/甲斐の国八やつの颪は子守歌

/頂門の一針腰に春疾風

重いものを担いで腰を痛めた仲間が…。

/ばーさんに春剥落の続きをり

/老親の蹠あうらたくまし春の道

 

倉石智證