/幾たびも天気予報やゲレンデの
/雪イルカいつしか汝なれにしろき髭
/風光る有線放送通夜は今日
/蕗の薹咲いたと云へば身はそはと
/マッチ擦る少女はいまはばばになりカチカチ山と云はれてもなほ
いくら注意してもマッチを頭陀袋に入れてお墓へ。燐寸、あぶなくてしょうがない。
/云はれてもまた最初からご破算にゴーイングマイウェイ寸分たがへず
/ばーさんの入れ歯もひげもなにせうにかなくり眼懼るゝはなし
/掻い巻きを縫うばばの背も丸くなり
/湯湯婆と十回云はれ湯の近く
/枯露柿のわれにかしつくまう一杯
/清潔な冬陽に白菜も干され
/いたいけな少女となりし池江さん白き病に命震える
/謙さんの助っ人で出すツイートの病の人等みな強くなり
/梅咲きぬ老いてかたくなほっこらと
/もっぱらに梅は桜を知らずなり
/梅ばかり桜も咲くや顔真卿
/上野へはよこしまな春うらうらと
これから顔真卿展に繰り出さんとして・・・。
倉石智證


