/玄冬のゑふ無き畑やばば隠し

/寒いからもうお帰りよと畑中に人に云はれしばば探し行き

すわ、行くへ不明かと、墓地から畑からぐるぐる探しに行く。

妻は自転車に乗って、人づてにようやくば様を探し出す。

「押し車なんて押して行かんよ」と少し呆けた顔で。

押し車は田中たなかにあった。

/選挙戦了はりうからの市議になりばばは朝から電話するなり

数十秒後、もう誰に電話したかを忘れている。

/物干し場ばばの嚏くさめや二階までホットココアをはよ召し上がれ

妻の自慢の自作。

/寒月をきみと呼びたし車山

/飴持ってをさな尋ねる冬の道

/冬椿午後の天気を呼び戻し

/咲継ぐや山茶花に陽のあたゝかし

干し柿もだんだん残り少なになってきた。

 

倉石智證