/イヴの日や単身赴任さあ帰ろう

/検問の剣呑けんのんめくや十二月

/着ぶくれてばばに急かさす電子音

/豚角煮食べてしばらく冬籠る

/甲斐の国寒さ背中にしがみつき

/洗面器に氷残りし井戸の端

/葱甘くなりしを掘り抜きの井戸に

/霜溶けて長靴の泥跳ねとなり

/霜溶けて土間まで続く畑の泥

/早贄はやにえを鵙もず忘れてん畑仕事

/早贄に鋭きまでの冬陽かな

/燃やしてん畑はたの煙や年の暮れ

/芥燃やす後生ばかりや歳暮れて

/溝攫い一年経つと10㌢

/一塩で水上がり来る大根漬け

/南天を活けて厨くりやの明るめり

/あと五日木守の柿を相談す

/あと五日鳥との話木守柿

/除草機を洗って畑はたけ収め哉

/正月の着物の話妻と妣

/残菊に一輪だけの菊日和

/山茶花の散るにふためく親爺かな

 

倉石智證