とてつもなくはやくて

とてつもなくゆっくりなまま

とほうもなく広くて

とほうもなく狭いもの

そんな中でときどきぼくは

まだ見たこともない自分の背中を想像する

彼女なら器械のやうに動く肩甲骨が好きだ

世界のいろんなことをいつも一緒には出来ない

陽が射して来た

ば様は階下でコトンと咳をする

うちのば様にひげがあるのをある朝発見する

それは朝陽に透けてどんどんまだ伸びて行きさうな気配だった

 

倉石智證