/仙の倉エビの尻尾とちぢこまり

/平標階梯空へ人雲に

/ガス途切れ山径細く天の途

/秋の日や妻デポジットして仙の倉

/木道に陽はしらしらと影踏みぬ

/七竈赤い実空に散らしたり

/赤い鳥真実山に紅い実の

/山小屋の山水石に落ち続け

/錦繍を眼下に見ては遅き昼

/用済んで薊は山に枯れゆけり

/見事なり笹の緑と嶽樺

/熊笹の大海原と嶽樺

/笹鳴りや樺の踊り遠景に

/平標昔名前で(「平」だと)騙されて釣瓶に落ちる秋の陽の冷へ

/枯れ色に山黙もだしゆく鞍部にはガス昇り来て木道に冷ゆ

 

倉石智證