鈿女うづめはきっと秋の童女だ

それで騙される

身にいっぱいしゃらしゃらと飾り物をして

実は身火照る彼女は

身に水流のあふれるほどで

そして身に冷えてゆくあそこだけは

腫れもののやうに紅葉色に燠おきたけってゐる

 

紫色した通草あけびの実を米櫃に入れた

少し夢を見る

周りぢゅうがあんまりに静かなものだから

それで熟れて来て

ある日ぱっくりと口を開ける

それがあんまりにも無邪気でゐぎたないので

呆れることとなりとなりのじーさんは

不意にぽっくりと逝った

ばーさんは相変わらず川へ洗濯にととてもじゃないが

じーさんのことまで構ってなんかいられない

まるでジャックと豆の木でもあるまいに荒唐無稽な

しかしまるで自分たちだけが齢をとると云ふ理不尽さに

ふと思ひ返す

 

鈿女は豊熟した秋の童女だ

その仕草は間違いない

男を騙そうとして

あそこだけは紅葉色に燠闌って

いまにも詩趣酣酣しいしゅかんかん

あゝ、酣たけなはである

 

倉石智證

産めよ殖やせよ、

滅私奉公、

母性礼賛、

全的自己犠牲、

「赤紙」おめでとうございます、

(LGBT)生産性、

教育勅語にも…。

(自民党は)無駄な批判はしない、

(沖縄)日本の安全、

極東の平和のため、

───みんな秋候に冷えてゆく。

 

船に乗り合わせる10人。

一人が犠牲になれば9人が助かると云ふ。