さうだ

臀部を忘れてゐた

それにくびれだ

ペニンシュラ、半島へと続く

嵐の痕の風がまだやすみなく草木をなびかせてゐる

 

豊穣は去ったのか

いや、さうではなく

この形に魅せられる

後追いかけて

たうたう半島へと、

その突端に出てしまった

1968篠山紀信「誕生」シリーズ■この年ライトパブリシティーを辞める。

 

引き返そうとしたらあなたが嗤ふ

ヴェランダで亜熱帯の風に吹かれてゐると

髪が潮風に不意と重たくなり

考えさせられる

自由と、自由律についてだ

長い論考の果て

あそこでは海が水平に傾いでゐる

 

それの彼方へと

畸形と奇矯が

無数の女たちのさんざめきが

笑い声が木魂のやうになって

ペニンシュラ

半島のそこから大海原へと繋がり飛び去って行った

白い帆叢の船団がゆく

あゝ、女たちの臀部の

ただならぬ美しさに

列島のくびれに、

また後悔の

 

倉石智證