正義や痛みはついにはどこから生れて来るものか
まあるいお尻
それはこの国ではとんと四角ではなく
ただまあるいお尻
と云ふことだった
ただ、まあるいお尻をどうしやうと云ふことではなく
あんな頑丈なお尻も
この国ではライオンが尻からかぶり付く
なんて云ふやうな
縞馬なら
さながら尻馬に乗って
もはやどこに正義があるのか分からない
人は藪の向かうに、断末魔を聞く
あらゆることに慎ましやかでなければならないと思ひます
それをしずしずと交差点を物腰やはらかくお尻が渡ってゆく
これ見よがしに───
でも、もう青ではなく
もうすぐ赤になるではありませんか
人の意見を聞かうともしない
それが若さだと云ふ
始まりだと云ふけれど
飛んだことだ
後ろばかりではなくぜひ前の顔も見せて欲しい
お尻お尻お尻
まあるい
罪咎つみとがはそこにはなく
ただ何気なく一番最後に並ぶ
そこがお尻だと云ふ
順番はだれ彼ではなく
ただものごとのお終いに蹤いて
やっと安どする
まさかもう食らい付かれることもあるまい
なによりももう後ろから追い越されると云ふことが無いから
アンシンだ
正義と秩序はどこから生れて来るものか
やおらとかかたくなに
地平線から一挙に数万人が消えてしまった
どん尻に控えしものがおって
おてやわらかに
どうぞ
ところでまあるいお尻らには深い決意があって
進行方向に
もう知りません
なんて云ふことが決してありませんやうに
痛みは病みつきになる
しばらくぼくらはみんな空を見上げる
巨大な飛行船が翔んで行く
倉石智證