ほんたうに上滑りに滑ってゆくね
ほんたうによく滑ることだ
毎日のことだが
なんにも跡形さへも残らん
まったくけふの匂いさへ残らん
なんにも思ひさへも
だから疵付けることさへなかったね
あれほど木と共に生きてゆけって
だから、ちょっと癪に障ることだ
ば様がけふはお漏らししたね
あゝ、しくじっちまった
すぐに忘れたね
振りかね、あれは
便器を汚した
ほんたうに上滑りに滑って
まったくよその出来事みたいに
過去からやって来て
今、どこか向かうに行こうとしてゐる
どこへ行くんだらうね
わからん
雲か !
いや、まるで雲をつかむやうなはなしだ
いや、ウンをつかみ損ねた
と、莫迦なことを云い合って
ぼくらは道を歩いて行った
倉石智證
