/新涼やにいにい蝉も朝の内

/秋風やリンドウ峠三国山力清水は今も昔も

/いにしへは田村麻呂行く良寛も三国峠で柏手を打つ

/警告の鋭く山に鳴らされて発破の響き登山道にも

/橡の実の落ちて峠へ道教へ

/笹鳴りやクマ出没と書いてあり

/トンボウやおまゐもひとり木道に

/妻の謂い木琴ロード頂へ

/シモツケソウ落ちて木道秋の風

/実の入りは鹿に喰はれしキスゲかな

/酷暑して花は種へと身を急ぎ

/道の駅秋の果実の満載に

/秋風やハグして別る二身かな

/カーテンの裾を揺らして吹く風に若人の声とおく聞こえる

/葛の花道はみ出して放恣なる

/遠方に釣り師を置いて魚野川

/魚野川に陽の当たりたる石しろし

/草の丈のんのさまにも虫囲い

/気が付けば花野あたりを歩みゐし

 

倉石智證