そして、安倍首相はどうしても「憲法」をいじりたいらしい。

ぼくは本当に止めてもらいたいと思ってゐる。

「憲法9条」を争点にしたい───。

「自衛隊を明記する」(安倍)or「二項を削減する」(石破)。

国民を含めてあまりに“勝ち”が見えてゐるではないか。

まったく迷惑な話だ。

おカネがかかることばかりの話しだ。

今期防衛予算の請求額は5.4兆円を軽々と超える。

イージスアショアなんて一度入れたらそれこそ何十年と続く保守点検、

その都度の部品購入なども含めたら、当初の2基=2000億円くらいが、

あっという間に5000億円くらいになり、

その内にミサイルまで入れたら数兆円になりそうだ。

 

トランプ大統領でなくても、日米安保は”金食い虫”だ。

もういい加減“核の傘”も脱ぎ捨ててもらいたい。

お隣の文在寅さんもそうだが、戦争回避のためにはそれこそ命がけでなければならない。

命がけがあったから「米朝会談」が実現できたとされる。

犬の遠吠えではないが、距離を取った外から「制約、制裁」ばかりじゃ一向に埒が明かない。

日本もかつて「ABCDライン」で苦しめられたではないか。

 

それに、外交の唯一絶対は明確公正な歴史認識が前提になる。

もし「朝鮮半島併合」が無かりせば───、と考えれば分かり易いではないか。

もし、日本に富士山が無かったら、ないしは、

もし日本に皇統と云ふものが存在しなかったら、

と考えてみたらもっと分かり易いかもしれない。

日本の地政学も、それから歴史も、文化も、まったく別なものになってゐるのは明らかだ。

ぼくらは少なくとも植民地政策で、その他国である半島の歴史文化を破砕してしまった。

 

戦後のドイツは憲法で厳しく”ナチス的”なものを禁忌してゐる。

ベルリンに行けば世界のどこよりもホロコーストはもとより、ナチス的なことを学べる。

さて、自国による「終戦の裁判」が無かった故に、

日本にはかの植民地政策に対しての包括的祈念館さえ存在しない。

 

翁長雄志沖縄知事がまさに満身創痍のままに亡くなった。

明確に反政府を打ち出したのは、

2007,3/31の高校教科書検定に於いて、沖縄の集団自決に軍の関与は無かった、

としたことにあるとされる。

これが現安倍首相の歴史認識と云うことになる。

歴史認識は国内ではさらに“モリカケ”まで及んでゐる見て差し支えないと思ふ。

だんだん歴史認識を中核にこの国はメルトダウンし始めた。

 

世界の環境が激変した。

しかし、環境が変わったのは世界ばかりではなく、

静かなる災害は足元の人口衰微であり、以って社会保障不況の問題である。

まったく戦争はどっちだと云いたくなる。

政府の役割は北朝鮮、中国の脅威に対してなのか、

まだ片が付かない東日本大震災や、フクシマの問題、

熊本大地震、九州豪雨、それにこの度の西日本豪雨の被災者救済、支援に対してなのか、

つまり政府の比重は、日米安保重視(沖縄問題も)なのか、

社会保障・財政や災害列島に対応することにあるのかが問題になる。

 

憲法改正したって、中国の台頭が収まるわけではない、

北朝鮮の脅威が消えてなくなるわけではない、

年金が永続的に安全・安心になるわけではない、

災害に対して列島の脆弱性が保全されるわけではない、

そして、何よりも憲法変えたからと云って、

この国の生産性や潜在力が上がるわけではない、

と云ふことだ。

本当に憲法をいじるのは止めてもらいたい。

2012,12/26安倍内閣発足───。

投票率59.32%。2014衆院自民党の絶対得票率は小選挙区24.49%、比例代表は16.99%。

明確な支持者は5人に1人。それでも自民党は今の衆院の6割余りを占める。

国家とはおそろしい。

防衛予算=5.4兆円要求。

かうした権力のからくりはなんとかしなければなりません。

日本国民は安倍首相に「憲法改正」など頼んだ覚えなどないのです。

 

そして、総裁選(次期首相が決まる)です。

自民党に全的なお墨付きを与えたわけではありません。

権力の前提が最低なのに、

ぼくはこんな風に日本や、よって世界の歴史が決められてゆくとしたら、

それこそが由々しき問題で、とても耐えられないことだと思います。

 

総裁選は”茶番”です。

首相は公選制に大統領制に近いものにしませう。

選ばれた首相は当然党籍から外れる。

組閣はプロジェクトチーム、出来る人、才能のある人材を全党、から選ぶようにする。

「出来もせずやる気もないのに橋渡し」

国民はまるで世界の物笑いだ。

ぼくは「総裁選」みたいなもので世界や日本の歴史が決められてゆくとしたら、

それはとっても耐えられないのです。

 

倉石智證