朝は詩の一遍を詠むことで始める

果肉が破れ

すぐに透明な汁が零れる

陽の光りを欲するのだ

はらわたに沁みる

なにしろ腸を香奠に捧げた

 

夜を追いやり

つながれたベッドのシーツの端端に

まだ夢の残滓が残っているとしても

朝は詩の一遍を詠むことで始める

 

見る見る勇気を得て

吶喊とっかんとここから出てゆくばかりに

リンゲルの管を引き連れて

両の手に蒼い潮を掬う

みぎわより広大な海が広がる

鼻腔に広がるしずかな、蒼い海の香りを

もう少しだ

 

倉石智證