かんにんしてね

と頼む

もうそれ以上は要りませんからと

うれしいよ

とほころぶ

鳥たちの巣作り週間

壁土がほろほろと落ちる

燕が咥えて行った

 

分かった、と肯く

葡萄が花をつけた

危うい均衡が無数にぶら下がり

日差しを斜めに受ければもはや放恣寸前になる

 

鳥たちの囀りは止まない

こんな時に電信柱と電線が役に立つだなんて

つがひにあぶれては不可ない

もういろんなものが日に日に青く身重になって来てゐるのだから

かにしてね、樋に流れる雫

こんなにも苦い樹液が

甘く透明になって

逃げる

 

かにしてねと

ほろほろとば様は飯粒を零す

伸びあがった蔓たちは

ほぼ一斉に右回りに蔓を廻旋し始めた

 

倉石智證