石牟礼が旅立つ日には皇后の白い花など手向けたまひぬ

「日本の宝失った」皇后さま弔問、石牟礼道子さん送る会(有楽町・朝日ホール)

「民衆の叙事詩となった」と、或る詩人は。

 

/たれ唄ふ林檎の花のあからひく

/豌豆の莢初物の生くさく

/豌豆の花の兎に似たりけれ

 

/筍を店に飾りて賑わひぬ

/木の芽山椒の葉となりて桜鯛

/新玉や妻には何か考えが

/身の程を知りて世間に花水木

  水に流してあとはほのほの

/けふ過ぎて明日は海路ののたりかな

/ばーさんは銀のお舟でぎっちらこ懐かしきもの櫂に流して

/藤房や蜂の翅音のほしいまま

/藤房の棚の下なる翳染まり

 

倉石智證