/目白来てすることのあり目白押し

/会えばまた人懐かしき花筐(はながたみ)

/小淵沢下りて頬っぺの赤きまゝ

/神立からメールのありてコブ斜面

/塀越しに梅が花咲くわが家かな

/梅に吹く風をちこちと畑へも

/用水の工事梅、桃伐られけり

/山茶花の赤、白と花咲きにけり

/ハリウッドの花は未だかと妻の謂ひ

/飼い猫の芝生の真中まなか日向ぼこ

/春の市野菜を買いにカート押し

/鯛の色づいて兜潮を曳き

/寒鰤やそろそろシラス、蛍烏賊

/行悩むボリス・ゴドゥノフ春の泥

/花粉時季どき「二項」残せし偽熱かな

/平昌にカムサハムニダ北に冷へ

/奈緒ちゃんの云ひせしまゝに平昌で百花繚乱と花咲きにけり

 

■1881レーピン「作曲家モデスト・ムソルグスキーの肖像」

アルコール中毒患者のムソルグスキーの眼はまだ炯炯としてゐる。

ムソルグスキーはオペラ「ボリス・ゴドノゥフ」を作曲する。

ロシアと云ふ屈折した広大な世界───。

 

倉石智證